遺伝子検査に自主認定制度

 病気へのかかりやすさや体質などを判定する消費者向けの遺伝子検査ビジネスを手掛ける企業でつくる団体が、一定の基準を満たした業者を自主的に認定する制度を創設し、10月から認定申請の受け付けを始めた。検査への信頼性を高める狙い。来年3月に第1陣の認定企業を公表する予定。
 団体は、検索大手ヤフーなど二十数社が加盟するNPO法人「個人遺伝情報取扱協議会 」(別所直哉理事長)。

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 唾液などを送るだけで受けられるこうした遺伝子検査ビジネスは近年、国内で急増。健康への関心を高めるとの指摘がある一方、「科学的根拠がはっきりしない」「将来の確率や傾向を示すだけなのに、消費者が医療目的の診断と同じだと誤解しないか」などの懸念がある。検査結果を基に、健康食品販売など2次的サービスを提供する業者も存在する。
 これまで協議会の自主基準はあったが、守られているのか、消費者には分かりにくかった。
 認定制度では、自主基準に基づく200超のチェック項目を設定。企業が申告する内容を外部の有識者6人で構成する審査委員会が審査する。審査委メンバーは法医学が専門の勝又義直・名古屋医専校長のほか、法律・倫理、分子疫学、情報セキュリティーなどの専門家に消費者代表が加わる。
 協議会に入らずに消費者向け遺伝子検査を販売する業者もあるが、協議会事務局は「認定制度開始を機に加盟を希望する企業もあり、業界全体の水準向上に望ましい動きが出ている」と話す。
 遺伝子検査をめぐっては、厚生労働省が規制の必要性などを議論する専門家検討会の設置を明らかにしている。
2015/11/17 09:41  【共同通信】

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