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Coffee Break Evolution Vol.20 (2015/08/28) GPIFポートフォリオ UPDATE

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昨日8/27に、GPIFより平成27年度第1四半期運用状況、つまりこの4月から6月までの運用状況が公表されました。
今回の開示も昨年12月の開示と同様、従来よりも情報量の少ない開示となっています。
運用資産額141兆1,209億円、年金積立金全体でのアロケーション、3月末時点における年金特別会計で管理する積立金の推定値等を考慮した結果、運用資産額における短期資産の比率はほぼゼロという想定が辻褄が合いそうでしたので、 それをベースに運用資産額に20150828①おける各アセットクラスの 比率を推計しました。

まずは、前回3月末時点のポートフォリオと、6月末時点のポートフォリオの比較です。

前回の考察時(Coffee Break Evolution Vol.16)の想定通り、外国株式に対する買いリバランスが行われた模様です。買いリバランス金額は2兆円強と推測されます。短期資産と国内債券の償還金を充当したものと思われます。

次に、今回の開示に対して、各アセットクラスの直近までのリターンを掛けて、直近におけるGPIFポートフォリオの状態を推計してみたのが、以下の表になります。

20150828②

最新開示と政策ポートフォリオを比較すると、概ねGPIFのリバランスは完了したものと考えることができます。 また足元の株式市場の下落によって、株式のウエイトが下がっているわけですが、政策ポートフォリオに対するアローワンスとの比較でみると、それほど極端なアンダー・ウエイトではないことが分かります(まだ買わなくても良いという解釈も可能なレベル)。
仮に、この下落局面において、アンダー・ウエイト解消の為の買いリバランスを行う場合、そのサイズは、国内株式で3兆円弱程度と思われます。外貨アセットについては、株式で1.5兆円強、債券で3兆円強、合計で5兆円程度購入することが可能なのではないでしょうか。
買いリバランスが行われた場合、インパクトが無いとは言えないサイズであるように思われます。先週及び今週の投資家主体別売買動向を、少し注意深く見ておいた方が良いかもしれません。
最後に、GPIFのアロケーションの時系列推移のグラフのアップデートを載せておきます。20150828③

 

 

今後とも何卒宜しくお願い致します。

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