身のまわりの放射線

テレビなどで良く耳にする“シーベルト“という言葉。これは生物学的影響を加味した(例えば癌になりやすいとか)放射線の単位になりますが、記号ですと”Sv“と記載します。これは、放射線の線量測定および生物学的影響の研究に功績のあったスウェーデンの物理学者R.M.Sievertさんにちなんで名づけられたものです。

放射線と聞くと少し怖いと感じる方もいると思いますが、原発事故などにはかかわらず、はるか昔から我々の生活のなかで存在するもので、実は普通に暮らしていても私たちは自然放射線を浴びています。代表的なところでは、宇宙線0.39ミリシーベルト/1年間、大地からの放射線0.48ミリシーベルト/1年間(このエネルギーを利用して温泉地などで癌などの治療されていることありますよね。)などトータルで毎年2.4ミリシーベルト自然界から放射線を浴びています。

宇宙線に限って掘り下げてみると、身近なところでは東京⇔ニューヨークを飛行機で往復しただけで0.2ミリシーベルトの宇宙線を浴びていることは知る人は知っていることです。もっとも楽しい海外旅行の最中にそんなことを考えて飛行機に乗っている方は少ないと思いますが。宇宙線は上空に行くほど飛躍的に高くなることは、NASAでも研究されており、高度と宇宙線強度の関係が判っています。宇宙飛行士があれだけ頑丈に防護服を着ているのは宇宙線を遮断するためです。一時期オゾンホールの発生とその地域での皮膚がんの発症が問題となっていたことも宇宙線と関連する訳ですが、我々の住む地球の大気の遮断効果が、言わば防護服替わりとなり、おかげで快適に生活できる空間を得ている訳です。あらためて地球の偉大さを感じます。

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