虫歯4割減ったけど… 子どもの歯周病3割増 福岡県学校歯科医会 昨年調査 食生活が変化、小6の18.4%
虫歯は減少しても、歯周病になる子どもが増えていることが福岡県学校歯科医会の調査で分かった。2001年の調査では、小学6年生時点で虫歯になったことのある永久歯を持つ子どもは62・8%いたが、13年には36・2%と約4割減少。一方、歯肉炎など歯周疾患がある子どもは、13・7%から18・4%と約3割増加した。食生活の変化が要因で、同会は「歯だけでなく歯肉の健康にも注意を払って」と呼び掛けている。
同会は学校歯科医などで構成。子どもの歯や口の健康についての指導や啓発活動を行っているほか、01年から県内の半数以上の学校で、小学1年~中学3年を対象に統計を取っている。
親世代の虫歯予防への意識の高まりや早期治療が奏功し、永久歯に虫歯のある子どもは、01年には小学1年生で13・6%(虫歯を経験した歯の平均本数は0・4本)、中学3年生で79・2%(同3・9本)だったのが、13年には小1で6・7%(同0・1本)、中3で51・5%(同1・9本)と大幅に減少した。
だが、食生活の変化で軟らかいファストフードやお菓子を食べる機会が増えたほか、急いでよくかまずにのみ込んだりすることで歯石が付いたり歯肉炎になったりする子どもが増加。生活習慣や歯磨き方法の改善が必要な「要観察者」の割合は、01年には小1で3・6%、中3で13・2%だったのが、13年には小1で5・8%、中3で20・0%と急増している。
同会によると、食生活の変化は顎の骨や筋肉の発達を妨げる要因にもなるため、転ぶなどして歯が折れるといったケースも増えているという。須ノ内茂子副会長は「口の健康は体全体の健康につながっている。家族全員で意識を高めてほしい」と話している。
=2014/12/16付 西日本新聞夕刊=