Mercedesレポート :メルセデス・ベンツGLA 250 4MATIC Sports

 

MercedesレポートVol.4

~あのメルセデスに乗ってみた~

メルセデスベンツGLA 250 4MATIC Sports

どんなクルマ

新FFプラットフォームのコンパクトモデルが勢揃い              P6090015 B、Aクラス 画像 背景ぼかしレンズ 小 掲載用(2)

そこはいつものように無数のメルセデス・ベンツで溢れていた。
さながらどこよりも充実してどこよりも贅沢なメルセデス・ベンツのショールームのように。
今回の試乗車はこのいつものメルセデス・ベンツ日本㈱本社の駐車場にひょっこりと整列していた。
このメルセデス・ベンツのコンパクトクラスの兄弟はどれも凛々しく泰然とした佇まいで、皆どこから見ても兄弟として血筋を感じる顔をしていた。
2011年よりメルセデス・ベンツが次々と発表してきた新FFプラットフォームをベースとしたコンパクトシリーズ。Archivnummer: SSPIP30409
今回のパートナーは、その中でも末弟(最新バージョン)にあたるGLA。メルセデス・ベンツ最新のコンパクトカーにして、メルセデス・ベンツ史上5番目のSUV。この斬新なコンパクトSUVであるGLA 250 4MATIC Sportsはどんな悦びを与えてくれるのだろうか?

眺めてみると

万能都市型SUVクーペ

スタイリングを見てみよう。               P5190006

相変わらずのメルセデス・ベンツデザイン、ドアに刻まれた二つのプレスラインとボリュームのあるボンネット、Waveの効いたフェンダーラインが程よい筋肉感を描いている。

またスタイリッシュに造形されたヘッドライトにはシームレスのLEDランプがアイラインのごとく存在感を示し、このクルマのデザインシェイプの美しさを一段と際立たせている。

少しだけ高い車高とルーフレールの存在からそれがSUVであることは見て取れるのだが、こと俯瞰で一望すると、不思議とマッスルな4ドアクーペにも見えるのだ。
それはまるで試合直前のミドル級世界チャンピオンのボクサーのよう。
無駄な脂肪は一切なく、必要な筋肉のみを機能的に纏った完璧な戦闘態勢。
その逞しい身体にチャンピオンとしてのエレガントさも備えたその容姿。
このGLA 250 4MATIC Sportsは、そんな形容が似合うほどのグラマラスなSUVなのであった。

座ってみると

何とも言えない心地良い絶妙感
早速ドアを開けてシートに腰を降ろしてみる。  P5190001
SUVの恩恵か、乗り込みは非常にスムース、スポーツカーのようにシートに腰を落とし込む感覚はまったくない。
着座位置もアイポイントも少し高めで視界は至極良好。
ダッシュボードの高さも絶妙、ドライバーに安心感を与えてくれる。
シートはたっぷりとしたサイズで、ソリッドなホールド感とともにこれも心地良い絶妙感で着座姿勢も正してくれるよう。
いつもながら、ここにもメルセデス・ベンツの安全への哲学が現れているようだ。

この何とも言えない心地良い絶妙感、やはりこのコンパクトカーにもメルセデス・ベンツのアイデンティティが通じているのである。

乗ってみると

クラスレスな乗り心地と卓越した安心感
さあ、それでは走ってみよう。
いつものごとくエンジンに火を入れ、シフトレバーをDレンジへ。P5190009
今回は思い切って首都高環状線から3号渋谷線を経て東名高速に合流、御殿場インターで折返してみることにしよう。
霞ヶ関インターから首都高へ合流する。
相変わらず滑らかな仕事をするこの7G-DCTは、すぐさま7速へ到達、そのまましばらく巡航するとほどなく渋谷インターを通過した。
そこから用賀インターまで続くカーブの多い道程も、このクルマのステアリングはビビッドに応答、軽やかな足回りで気持ち良くコーナーを駆けて行く。

この何とも言えない心地良い乗り心地は果たしてどこから来るのだろう。
路面への当たりは非常に柔らかく、しなやかにショックを吸収して突き上げを感じることがない。
と言っても、かつてのアメ車のようなフワフワ感でもない。
むしろ路面のインフォメーションは他のメルセデス同様、しっかりと伝えてくれる。

そしてもうひとつの重要なポイントはこのクルマが4WDであるということかもしれない。
前輪駆動をベースに最大50:50までを可変制御するこの駆動方式は少しウェットなこの東名道の路面をいとも簡単に捌いてくれたのだった。
年に数度しか降らない東京の雪。                                                         P5190008
されどその数度にどれだけ我々が苦しめられてきたのか。
地方の友人からは、毎回その程度の雪で何の問題が?と揶揄され続けているのだが...
そんな年に数度の雪路にも、このクルマはしっかりと守ってくれることだろう。
その代え難い安心感も、ドライバーの感覚としてその乗り心地に寄与しているに違いない。

そんなことを考えながらすでに路は厚木インターを通過。
少しずつ上り勾配が顔を見せ始め、大井松田インターを越えて本格的な坂路とRのきついカーブが続いてきた。
このエンジンは予想以上にタフ、2リッター直噴ターボ155kw/350N・mの力を利用して追越車線を簡単に踏破していく。
通常はアクセルを強めに踏み、回転数を上げてエンジンへの負担や燃費を気にする辺りでも、このエンジンは通常の回転数以上に頑張る兆しは見えない。

予定通り御殿場インターで折り返し、今度はゆったりとした下り勾配を流していても、このクルマの挙動はまったく変わらない。
固めのヘッドレスト一体型シートは1時間を越えた辺りで身体にぴったりとフィット。
長時間のドライブでも腰痛を感じさせないこのシートは、ありがちな眠気やトイレ休憩さえも省いてくれるほど安心感に満ちていた。

このクラスにしてこのクラスレスな乗り心地と卓越した安心感。

近年、ドイツを中心に内外のメーカーが挙って競うこのBセグメント。P5190002
中でもこのコンパクトSUVには各社ツワモノ達を送り込んでいる。
コンパクトで荷物も積めて高燃費な4WD。
若者から女性、そしてアクティブシニアまで幅広いマーケットも存在している。

しかしどのBセグメントのコンパクトSUVもこのクルマの乗り心地と安心感を凌駕することは容易ではないだろう。
このメルセデスレポートを通じて出逢った数々のメルセデス・ベンツのクルマたち、最近のメルセデス・ベンツのアイデンティティなのか、顔立ちのみならずこの乗り心地にも一筋のアイデンティティを垣間見る。
どんなクラスのクルマにもいつしか共有しているその乗り心地、そこには長い年月と熟成を要する途方もない苦労があったに違いない。
メルセデス・ベンツ社が手にしたこの伝統と格式から放たれるその乗り心地、この何とも言えない安心感に、
今夜も乾杯...

測ってみると

    • 全長×全幅×全高 4,455mm×1,805mm×1,495mm P5190013
    • ホイールベース 2,700mm
    • 車重 1,580kg
    • 駆動方式 4輪駆動(4WD)
    • エンジン 1,991㏄DOHC直列4気筒ターボチャージャー付
    • トランスミッション 電子制御7段A/T(7G-DCT)
    • タイヤ F235/50R18、R235/50R18
    • 燃費 14.0km/l(JC08モード走行)
    • 価格518万円※メーカー希望小売価格(税込み)
    • 試乗車の年式 2015年式
    • 試乗開始時の走行距離2,337km
    • 走行距離 808km
    • 消費ガソリン72.87l
    • 試乗形態:市街地30%/高速70%
    • 実燃費 11.1km/l(無鉛ハイオク)

 

 

 

 

 

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