放射線、放射性物質、放射能

放射線、放射性物質、放射能という3つのワードがありますが、これらを区別して会話できる人は案外少ないと思います。例えば、福島第一原発の事故で何が起こったのかこの3つのワードを用いて説明してくださいと設問があったらどう答えるでしょうか?

“原発炉内の燃料棒に含まれている放射性物質が爆発で飛び散り、風に乗って各地にばらまかれた。その放射性物質は放射線を出す性質があり、多くの人々や国土へ被ばくをもたらしました。この時、放射性物質が放射線を出す性質のことを放射能と言う。”が答えの一例ですが、なかなか理解が難しいですね。

もう少し理解しやすい例としては、懐中電灯を考えます。もし懐中電灯が放射性物質だったとすると、そこから放たれる光が放射線、懐中電灯がどの位の強さで光を放つかという性質を放射能と言います。

ニュースなどでよくある間違いとしては、放射能と放射線を混同し、“放射線物質の灰をかぶる”ことを“放射能を浴びる”と表現したり、実際には“放射線漏れ”なのに“放射能漏れ”と表現したりすることがありますが、上記の懐中電灯の例で考えるとこれらが間違いであることはご理解頂けるのではと思います。

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